脂っこい食事をしているわけでもないのに、なぜかコレステロール値が高い。 「低血圧」や「徐脈(脈が遅い)」でC判定やB判定が出るけれど、「要精密検査」とまでは言われない――。
健康診断でそんな経験はありませんか? その「ちょっとした異常」、実は橋本病(甲状腺機能低下症)が隠れているサインかもしれません。
このブログでは、私の実体験をもとに、橋本病に気づくきっかけや、生活の中で気をつけることを発信しています。今回はシリーズ第4弾として、「健康診断の数値から見る橋本病」について、私の実際の検査結果画像を交えてお話しします。
主治医の先生にも監修いただきながら、みなさんの“気づき”や安心につながる情報をお届けします。
検査値からみる橋本病のサイン
一般的に、橋本病が進行して甲状腺機能が低下すると、代謝が落ちることで「低体温」「徐脈」「コレステロール値の上昇」などの症状が出やすいと言われています。また、血圧の変動が見られることもあります。
実際に、私が橋本病だとわかる前の健康診断結果がこちらです。

それぞれの項目について、私の体験と一般的な症状を照らし合わせて解説していきます。
血圧
橋本病が進行して甲状腺ホルモン(特にT4)が不足し、「甲状腺機能低下症」の状態になると、心臓のポンプ機能が弱まるなどの影響で、低血圧気味になることがあります(※逆に高血圧になるケースもあります)。
私の場合は、2013年からガクンと「拡張期血圧(下の血圧)」が低くなっているのが見て取れます。
2012年11月の第一子を出産していて、その後の健康診断から拡張期血圧が低くなっています。
産後をきっかけに甲状腺機能低下症を発症することは珍しくありません(これについては別の記事で詳しく書きますね)。
当時は「産後だから疲れているのかな?」と思っていましたが、血圧の数値にはしっかりサインが出ていました。
心電図(同性徐脈)
「洞性徐脈(どうせいじょみゃく)」という言葉、聞き慣れないかもしれません。
これは、安静時の心電図で脈拍が「1分間に50回未満」の状態を指します。
甲状腺ホルモンは心臓を動かすアクセルの役割もしているため、ホルモンが不足すると脈がゆっくりになってしまうのです。
私は健康診断でこの項目で引っかかることがありましたが、「要再検査」などの指示はなく、「体質的なものだろう」とスルーしてしまっていました。
脂質代謝(コレステロール)
橋本病では、コレステロール値に異常がみられることがあります。
甲状腺ホルモンが不足すると全身の代謝が落ちるため、コレステロールの分解が滞り、特にLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高くなりやすいとされています。
ただ、私の検査結果を見ると、意外にも数値は正常範囲内でした。
教科書的な症状としては「コレステロール上昇」が有名ですが、私のように「すべての数値に異常が出るわけではない」というのも、発見を難しくするポイントかもしれません。
低体温
健康診断の項目にはありませんが、脂質代謝と同じ理由で、熱を作る力が弱まり、体温が低くなる傾向があります(36.5℃以下など)。
私も日頃から体温が低く、ふと測ると35.4℃しかないこともしばしばありました。「冷え性だから」と諦めていましたが、これも代謝低下のサインだったのだと思います。
健康診断で橋本病が見逃されやすい理由
ここが一番お伝えしたいポイントなのですが、一般的な企業の健康診断や自治体の検診には、「甲状腺ホルモン」を調べる血液検査項目が含まれていないことがほとんどだということです。
血圧、心電図、肝機能、コレステロール……。 それぞれの数値に「少しの異常」があっても、それだけで「甲状腺を調べましょう」とはなりにくいのが現状です。
- なんとなくダルい
- 疲れが取れない
- 異常な寒がり
こうした自覚症状と同じで、健康診断の結果においても、決定的な異常値ではないため見過ごされやすいのです。
このブログを書くにあたり、過去の結果を表にして並べてみて初めて、「あ、この年から明らかに血圧がおかしい」と気づきました。
単年の結果だけでなく、数年分の結果を並べて変化を見る(経時的に見る)ことの大切さを痛感しています。
まとめ:過去の結果を見返してみませんか?
こうした自覚症状と同じで、健康診断の結果においても、決定的な異常値ではないため見過ごされやすいのです。
このブログを書くにあたり、過去の結果を表にして並べてみて初めて、「あ、この年から明らかに血圧がおかしい」と気づきました。
単年の結果だけでなく、数年分の結果を並べて変化を見る(経時的に見る)ことの大切さを痛感しています。
私の体験をもとに、他の記事でも橋本病特有の症状や気づきにつながるサインなどを発信していきます。
私の体験が、どなたかの気づきや安心につながることを願っています。
【監修医師】
大塚 志郎 先生(日本産科婦人科学会 産婦人科専門医)
2002〜2025年3月
おおつかレディースクリニック 院長
2025年4月〜
早川クリニック非常勤医師

産婦人科診療の中でも、特に女性のホルモンバランスに関わる内分泌領域に精通。婦人科診療の傍ら、女性に罹患者が多い甲状腺疾患についても数多くの臨床経験を有し、婦人科と内科の両側面から女性の健康にアプローチしています。
